2023年01月04日
研究成果 

Science Advances誌に、概日時計中枢におけるcAMPの機能の研究成果が掲載

C01班 小野

細胞内の cAMP は様々な細胞機能の調節に関わる重要な分子であることが分かっていますが、cAMP と生体リズムとの関連性についてはあまり理解が進んでいませんでした。本研究では、細胞内 cAMP と細胞外ペプチドを可視化する新しい光計測プローブを開発し、視交叉上核の cAMP、ペプチド分泌リズムイメージングに世界で初めて成功しました。その結果、この cAMP の生体リズムは、神経ペプチドを介した神経ネットワークによって生み出されていること、そしてこのネットワークによって生み出された cAMP が細胞内の分子時計を調節していることを発見しました。

Daisuke Ono, Huan Wang, Chi Jung Hung, Hsin-tzu Wang, Naohiro Kon, Akihiro Yamanaka, Yulong Li, and Takashi Sugiyama. Network-driven intracellular cAMP coordinates circadian rhythm in the suprachiasmatic nucleus, Science Advances, 9, eabq7032 (2023) DOI: 10.1126/sciadv.abq7032